『シグナル(関口尚 幻冬舎刊)』
2008年7月14日 こころ豊かに
内容
大学を経済的な理由から休学した恵介は、学費稼ぎを目的に、映画館で映写技師のアシスタントのアルバイトを始める。
映写技師のルカは、3年間も映写室で寝泊りし、映画館の外に出たことがなかった。
ルカの過去を詮索しない、ルカとの恋愛は禁止などの条件を出されるが、恵介は次第にルカと心を通わせるようになっていく。
ルカが映画館に閉じこもるようになった理由。恵介の家族が抱える事情。それらを通して描かれる繊細で優しい、そんなふたりの恋の物語。
動機
新聞の下欄によく本の広告が載っていますが、これもその1冊。
キャッチコピーと装丁に惹かれて、こちらも図書館で借りました。
待たされるかなと思っていたのですが、意外と早く読めました。
感想
アマゾンのレビューでは、なかなか好評なこの本。映画化を期待、などと書かれてありました。
確かに、映画化されてもおかしくない内容です。でも、対象年齢は低そう。
王道を行く内容なので、演技がしっかり出来る役者さんじゃないと、見るに耐えない映画になりそうです。
作者が実際に映画館の映写室でアルバイトをしていた方なので、その表現はリアルです。
映写技師と言う仕事へのプライドみたいなものも感じます。
コピーには「切なく胸を打つ、感動の青春ミステリー」とありますが、切なさは確かにあるけれど少しだけ。
ミステリーと言うほどの謎はなかったです。…高校時代なら納得できるコピーだったかも…。
memo
「「やさしいっていいことばかりじゃないなって」
優しさを胸に人と接しても、オヤジのような人間は必ずやそのやさしさにつけ込み、自分勝手な振る舞いや不義理な行いを繰り返す。やさしさを食い物にしながら平然とのさばる人間は、悲しいことだが世の中には驚くほどたくさんいる。
(略)生半可なやさしさなど持っているために、オヤジを至らなくてかわいそうな人として、その存在を許してしまう。
きっとやさしさは、許せるか許せないかといったことを量る心の天秤に、迷いばかりをもたらす。(略)
やさしいということ。それがいいことばかりだとは限らない。やさしさなんていらない。そう叫びたくなるときだってある。(65〜66頁)」
ああ、すっごいよく分かる。自分もその「やさしさ」につけ込まれるタイプなのですが、同じ事をいつも考えています。人に対して構えながら接することに、疲れてしまっています。
大学を経済的な理由から休学した恵介は、学費稼ぎを目的に、映画館で映写技師のアシスタントのアルバイトを始める。
映写技師のルカは、3年間も映写室で寝泊りし、映画館の外に出たことがなかった。
ルカの過去を詮索しない、ルカとの恋愛は禁止などの条件を出されるが、恵介は次第にルカと心を通わせるようになっていく。
ルカが映画館に閉じこもるようになった理由。恵介の家族が抱える事情。それらを通して描かれる繊細で優しい、そんなふたりの恋の物語。
動機
新聞の下欄によく本の広告が載っていますが、これもその1冊。
キャッチコピーと装丁に惹かれて、こちらも図書館で借りました。
待たされるかなと思っていたのですが、意外と早く読めました。
感想
アマゾンのレビューでは、なかなか好評なこの本。映画化を期待、などと書かれてありました。
確かに、映画化されてもおかしくない内容です。でも、対象年齢は低そう。
王道を行く内容なので、演技がしっかり出来る役者さんじゃないと、見るに耐えない映画になりそうです。
作者が実際に映画館の映写室でアルバイトをしていた方なので、その表現はリアルです。
映写技師と言う仕事へのプライドみたいなものも感じます。
コピーには「切なく胸を打つ、感動の青春ミステリー」とありますが、切なさは確かにあるけれど少しだけ。
ミステリーと言うほどの謎はなかったです。…高校時代なら納得できるコピーだったかも…。
memo
「「やさしいっていいことばかりじゃないなって」
優しさを胸に人と接しても、オヤジのような人間は必ずやそのやさしさにつけ込み、自分勝手な振る舞いや不義理な行いを繰り返す。やさしさを食い物にしながら平然とのさばる人間は、悲しいことだが世の中には驚くほどたくさんいる。
(略)生半可なやさしさなど持っているために、オヤジを至らなくてかわいそうな人として、その存在を許してしまう。
きっとやさしさは、許せるか許せないかといったことを量る心の天秤に、迷いばかりをもたらす。(略)
やさしいということ。それがいいことばかりだとは限らない。やさしさなんていらない。そう叫びたくなるときだってある。(65〜66頁)」
ああ、すっごいよく分かる。自分もその「やさしさ」につけ込まれるタイプなのですが、同じ事をいつも考えています。人に対して構えながら接することに、疲れてしまっています。
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