内容
昨日感想を書いた『プロ野球選手という生き方』の続編です。
『~生き方』が広く浅くだとしたら、こちらはプロ野球選手について深く書かれています。

動機
こちらも『~生き方』と同じ理由で同時に図書館で借りました。

同人サイトさんがきっかけでしたが、私が観ているサイトの管理人さんたちは素人で、当然趣味で同人活動をされている方々ばかりです。
素人の趣味とは言え、細かいところまで考えて作品を書いている・描いている姿勢はとても好感を持っています。

感想
こちらは2007年に出版されています。
渡米しメジャーリーガーとしてプレイした経験のある日本人選手も増えました。
そのせいか、日米の環境の違いを比較して問題点を浮かび上がらせている書き方が目立ちました。

内容が前作と比較して深いというよりも、扱う内容を減らしたので踏み込めたといった方が適切かも。

例えば、試合の際の移動。ホームとビジターで、日米でこんなに違うんだと思いました。

現役プロ野球選手の奥様やマネージャーのインタビューは、かなり面白かったです。
プロ野球という一般からかけ離れた世界に関わる方も、社会常識をわきまえた一人の人間であるからこそ、しっかりと務まっているんだと実感できます。

一番興味深かったのは外国人監督についての記載。
日本人監督が「高校野球の延長」、つまりが「自分の部下として見下す」けれど、外国人監督は「フィールドマネージャー」として「選手へのリスペクトを持ち」「選手を褒めて乗せるのがうまく」「監督という職業を完璧に演じきる」そうです。
外国人上司と働いた経験はないけれど、日本ハムのヒルマン前監督なんかは確かにそんなイメージがあります。

他の方のインタビューでは、冒頭の吉井理人さん(インタビュー時はオリックス現役でしたが、今はOB…確か日本ハムコーチ就任?)。
前作の宮本選手同様、分かりやすいです。語り口は比較すると、はっきり話す方みたいです。本音が聞けて面白い。
「日本の場合は、チームを編成するのは“素人”ですよね、まだ。あぁ…、言っちゃった(爆笑)」
「野球経験のない人がトップにいるんで、下の人も言えないんじゃないですかね。○○ (注 伏字)なんか、モロにそうじゃないですか。あっ、言うてもうた(笑)」
「選手をいっぱい集めてるけど、編成が下手なんでチームが機能していないですよねえ」

…あ、絶対あそこのチームだ(笑)。

山﨑武司選手(楽天)は、何となく怖いイメージがあったのですが、インタビューでは穏やかそうな方みたい。
「やっぱり」が多用されていて、緊張しているのかな? なんだか親しみやすそう。

私の住む都市にもプロ野球チームがあります。
一度観に行ってみたいと思いつつ、なかなか叶わないのですが、今年こそ!とあらためて思いました。

memo
「(略)僕はね、先に手を出さないんですよ。それより選手に何か困ったことがあれば、必ず選手から手を出してきます。僕はその手を握ります。そうすればその選手は絶対にその手を離さないんです。(略)よくわかってないマネージャーはというのは、優し過ぎて選手を甘やかしてしまうんです。先に手を出してしまうんですね。俺が助けてあげるよと。そうすると彼らは振り払いますよ。絶対に。そうするとね、なかなか二度目は手を掴んでくれなくなるんです。
「(略)誰だってイヤじゃないですか。最初にズケズケ立入ってこられるのは。(略)」(マネージャーと選手の関係、付き合い方について、巨人の松尾英治マネージャーの返答/59頁)

ある程度の年齢になって、部下とまでは行かなくても後輩を持った時、とても参考になるお話ではないでしょうか。

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